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こうべ かうべ【神戸】
(
生田(いくた)神社の
神領に付属した民戸、すなわち、神戸
(かんべ)を中心に発達したことによると伝えられる) 兵庫県南東部の
地名。県庁所在地。大阪湾に面する。古くは
大輪田の泊と呼ばれた兵庫港を中心に、
対外貿易の
拠点となり、慶応三年(
一八六七)
神戸港の開港後は国際貿易港として発展。清酒醸造業は古くから知られ、阪神工業地帯の一中心を
形成。
六甲山、
有馬温泉などがある。明治二二年(
一八八九)
市制。
かん‐べ【神戸】
〘名〙 (「かむべ」とも表記)
令制での神社の封戸
(ふこ)。神社に属して租、庸、調や雑役を神社に納めた民戸。じんこ。神封戸。神部。〔令義解(718)〕
※書紀(720)崇神七年一一月(北野本訓)「天つ社(やしろ)、国つ社(やしろ)、及(をよ)び神地(かみところ)、神戸(カムヘ)を定む」
じん‐こ【神戸】
〘名〙 (「しんこ」とも) 神社に与えられて租(そ)、庸(よう)、調などの租税や祝(はふり)などの雑役を納めた民戸。かんべ。〔新令字解(1868)〕
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神戸【かんべ】
古代,特定の神社に付属した民戸。〈じんこ〉とも。神田(しんでん)を耕し,雑役を務め,租・調・庸を所属する神社に納めた。9世紀初め,全国で170余社,約5000戸で,宇佐八幡宮は1660戸を数える。伊勢,大和をはじめ全国各地に地名として残る。
→関連項目寺社領|神祇伯|中河御厨
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神戸
かんべ
古代,神社に属して,その経済を支えた特定の民。大化改新の前は神社所有の部民であろう。令制では神社に与えられた封戸 (ふこ) の一つで神社に租,庸,調,雑役を納め,神祇官の管轄に属したが,一般の民戸に準じて太政官,民部省などの支配も受けた。
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神戸
かんべ
律令制下,神社に属し,その経済を支えた戸
「じんこ」とも読む。神社に与えられた封戸 (ふこ) の一つで,租・庸・調を神社におさめ,神社の神職である祝部 (はふりべ) が選任されるほか,軽い雑役にも従事した。
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かんべ【神戸】
日本古代において,神社に世襲的に所属して,貢納と奉仕を任とした民戸。《日本書紀》崇神7年条に神戸の起源説話がみえるが,大化前代の神戸は部民的性格を持っていたと考えられている。令制では,国司によって作成された神戸の戸籍・計帳が神祇官に掌握され,封戸の一種として,調庸,田租,雑徭を負担した。その調庸,田租は国司の管理のもとに神社の造営,供神の料にあてられ,田租の残りは神税として義倉に準じて貯蔵され,出挙(すいこ)されなかった。
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世界大百科事典内の神戸の言及
【有封社】より
…古く封戸(ふこ)を有した神社のこと。封戸は国家より施入され,租,庸,調,雑役をその神社に納め,神戸(かんべ),神封戸とも呼ばれた。その起源は明らかでないが,古代神祇行政の整備とともに確立し,《新抄格勅符抄》に806年(大同1)当時,約170社4876戸の存したことを記している。…
※「神戸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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