ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アヨーディヤー事件」の意味・わかりやすい解説 アヨーディヤー事件アヨーディヤーじけん 1992年 12月から始るヒンドゥー教徒とイスラム教徒の対立による事件。北インドのウッタルプラデーシュ州のアヨーディヤーでムガル朝創始者バーブルの部下により建立されたバーブリー・マスジドがヒンドゥー原理主義集団の手で破壊され,続く衝突で主としてイスラム教徒を中心に 1200人が全インドで死亡した。インド国民会議派に率いられている政府は,急拠,地元の州政権 (インド人民党) を解任し,民族義勇団をはじめとするヒンドゥー原理主義団体を非合法化し,インド人民党の幹部も投獄した。政府はさらにマスジド破壊弾劾決議を可決し,続いてアヨーディヤーの係争地を取得する方針を決定した。この事件は単なる宗教対立ではなく,政教分離の世俗主義を基調とする民主主義勢力とヒンドゥー原理主義を掲げる勢力との対立がもたらしたものである。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by