日本大百科全書(ニッポニカ) 「アリサルム」の意味・わかりやすい解説
アリサルム
ありさるむ
mouse plant
[学] Arisarum
サトイモ科(APG分類:サトイモ科)アリサルム属の食虫植物。地中海地方に3種の原種があり、形はユキモチソウなどテンナンショウの仲間に似ている。落葉性の塊茎種で花は仏炎包。雌しべが下に雄しべが上につく肉穂花序をなし、虫が入ると仏炎包(ぶつえんほう)が閉じ花から出られなくなる。代表種プロボシデュームA. proboscideumはイタリア高地原産で、しっぽの長い褐色の小ネズミによく似た奇妙な形をしている。マウスプラントとよばれるゆえんである。栽培は鉢植えにより、10月上旬ころ5号鉢に3球ほど植え込み、排水をよくし、冷床で育て、4月中旬ごろからは半日陰地に置くとよい。葉が黄変したら水切りをし、鉢のまま夏を越す。
[川畑寅三郎 2022年1月21日]
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