改訂新版 世界大百科事典 「アルディピテクスカダバ」の意味・わかりやすい解説
アルディピテクス・カダバ
Ardipithecus kadabba
鮮新世初期の猿人の一種。ハイレーシェラシエY.Haile-SelassieやホワイトT.Whiteによって,1997-2004年にエチオピアのアファール低地のミドル・アワッシュ西部で,下顎骨片,遊離歯,上肢骨片,足の基節骨などを含む化石が発見された。模式標本は上顎犬歯(ASK-VP-3/400)。年代は570万~530万年前。アルディピテクス・ラミダスの祖先と考えられる。アルディは地面,ピテクスはサル,カダバは家族の最初の祖先という意味。犬歯の歯冠が尖った三角形をしていて,類人猿の犬歯とも似ている。しかし,足の指の基節骨は直立二足歩行の特徴を示す。
→アルディピテクス・ラミダス
執筆者:馬場 悠男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報