アルドヘルム(その他表記)Aldhelm

改訂新版 世界大百科事典 「アルドヘルム」の意味・わかりやすい解説

アルドヘルム
Aldhelm
生没年:640?-709

イギリス,アングロ・サクソン人のキリスト教聖職者神学者カンタベリーローマ派の教会で教育を受け,後に,シャーボーン管区初代の司教となった。ローマの古典学問に通じ,ラテン語による著述が多い。ベーダアルクインと並ぶ,アングロ・サクソン時代の代表的なラテン散文家で,聖母マリアに対する崇敬の心があつく,《処女性の賛美》を書いた。詩人としても名高いが,その古英語による詩作品は今日残存していない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルドヘルム」の意味・わかりやすい解説

アルドヘルム
Aldhelm

[生]639頃
[没]709
イギリスの聖職者,詩人。マームズベリーの修道院長 (675~709) ,シャボーンの初代司教。カンタベリーで学び,イギリス最初のラテン詩人といわれる。『処女賛美』 De Laudibus Virginitatisが代表作

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世界大百科事典(旧版)内のアルドヘルムの言及

【キリスト教文学】より

… これにつづく数世紀は,いわゆる中世の暗黒にようやく平和と文運の曙光がきざした時代で,ことにイギリス,フランスを中心に教学の復興が企てられ,カール大帝の即位した800年は,カトリック文学にとっても記念すべき年であった。まず7世紀にイギリスでは,《教会史》ほか多くの著作をもつベーダと,シャーボーンの司教でギリシア語とラテン語をよくし,長詩《聖処女賛頌》などを書いたアルドヘルムが相対して出た。後者の高弟がカール大帝の文教政策に参じたアルクインである。…

【ラテン文学】より

…しかし大陸の混乱の影響を受けなかったアイルランドの修道士たちの間で古典の研究と保存の伝統が持続され,7世紀初頭,彼らは大陸に進出して,スイスのザンクト・ガレンと北イタリアのボッビオに修道院を設立,ここが時代を通じて写本作りと研究の中心地になった。イングランドにも7世紀後半に,古典研究を聖書研究に不可欠とするヒエロニムス以来の考えを継承するアルドヘルムとベーダが登場し,その後継者ボニファティウスは大陸に渡って,フランク王国の教会改革に乗り出した。 8世紀中葉にカロリング朝が起こると,カール大帝の下でカロリング・ルネサンスが始まる。…

※「アルドヘルム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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