アロル島民(読み)アロルとうみん(その他表記)Alorese

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アロル島民」の意味・わかりやすい解説

アロル島民
アロルとうみん
Alorese

インドネシア小スンダ列島のソロル諸島の東隣,ティモール島の真北にあるアロル島およびパンタル島の住民。人口約 12万 5000と推定される。海岸部の他島から移ってきたイスラム教徒と,キリスト教や伝統的宗教を信じる山地の住民とから成る。後者は形質的にはオセアニア・ニグロイド系で,言語はオーストロネシア語族に属するが,アロル島民はさらに多くの方言グループに分れる。島の歴史は明らかではないが,政治制度は村落レベル以上には発展しなかった。焼畑農耕による雑穀栽培を主たる生業とするが,乾季には弓矢を用いた野豚狩猟を行う。豚は特に富と威信を示す重要な家畜で,交換体系の一部にもなる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android