日本大百科全書(ニッポニカ) 「あんかけ」の意味・わかりやすい解説
あんかけ
葛粉(くずこ)、かたくり粉の水溶き汁を加えてとろみをつけた調味料をかけた料理。ダイコン、カブ、いもなどの野菜や、魚貝類などが用いられる。また豆腐や麺(めん)類の料理にも使われる。「あんかけ豆腐」の作り方は、豆腐1丁、コンブ7センチメートル角1枚、だし汁カップ3杯、かたくり粉大さじ1杯を用意し、コンブを加えた鍋(なべ)に水をたっぷり入れて火にかけ、さっと煮ておく。鍋にだし汁を入れ、しょうゆ大さじ2杯、酒大さじ1杯を沸かし、かたくり粉を水溶きして加えてとろみをつけ、それを豆腐の上にかける。「あんかけうどん」は、うどん玉4個に対して、だし汁カップ6杯、葛粉またはかたくり粉40グラムぐらいを用意する。火にかけ、みりん小さじ1杯、しょうゆ大さじ7杯で調味し、煮立ったところで、水カップ1/4で溶いた葛粉を流し込み、箸(はし)数本でかき混ぜ、とろみをつける。沸き立ってぶつぶつと泡が出てきたら火を止めるのがこつ。「南禅寺蒸し」は、豆腐をすりつぶし、調味した卵汁で延ばし、下味をつけた貝を加えて蒸したものであるが、これにかたくり粉か葛粉の水溶きを加えて一種のあんかけにすると、味がいっそうよくなる。
[多田鉄之助]