日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンドレイーニ」の意味・わかりやすい解説
アンドレイーニ(一家)
あんどれいーに
Andreini
イタリアにおけるコメディア・デラルテの俳優一家。フランチェスコFrancesco(1548―1624)は「隊長(カピターノ)」役として名声を高め、当時定評を得ていたジェロージ(やきもち)座の座長となり、しばしばパリに招かれてアンリ4世の宮廷で公演した。その妻イサベッラIsabella(1562―1604)は清楚(せいそ)、優雅な美しさによってフランス宮廷の貴族や詩人たちの間に称賛を博し、死去の際には肖像を刻んだメダルがつくられ、またイサベッラの名は「若い恋人」役の登場人物名となって、コメディアの歴史に名をとどめた。「若い恋人レリオ」役を務めた長子のジャンバッティスタGiambattista(1578/1579―1654)は、1601年フェデーリ(忠実)座を結成し、『ベネチアの女』(1619)ほか多くの台本を書いた最初の作者としても大きな意味を担った。
[赤沢 寛]