日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンフィポリス」の意味・わかりやすい解説
アンフィポリス
あんふぃぽりす
Amphipolis
ギリシア北部、ストリモン川東岸にあったマケドニアの古代都市。トラキア、ヘレスポントスにつながる交通、戦略上の要所を占め、またパンガイオン地区の金、銀の集散地、船材の積出し港として商業上重要視された。紀元前437年アテナイ(アテネ)の植民市となったが、ペロポネソス戦争中、前424年スパルタの将軍ブラシダス(?―前422)に屈した。その後、マケドニアのフィリッポス2世(在位前359~前336)によって占拠される前357年まで、事実上独立を保持した。ローマ時代にはマケドニア第一管区の首府となり、同時にエグナティア街道の宿駅としての役割をも担った。
[古川堅治]