イエズス会劇(読み)いえずすかいげき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イエズス会劇」の意味・わかりやすい解説

イエズス会劇
いえずすかいげき

イエズス会演劇ともいう。1570年代より200年近くにわたり、まずイタリア、フランス、ドイツ語圏、やや遅れてボヘミア、ポーランドなどのイエズス会学院で行われた学校劇。17世紀に入ってとくに盛んになった南ドイツやオーストリアでは、最新の設備を備えた劇場で、音楽、バレエ、大掛りな仕掛けを加えた華麗な舞台を生み出し、当時のバロック演劇を代表した。そのつど会士の手になる脚本はおもにラテン語であるが、一部では地方語も用いられた。素材は聖書や教会史のほかに世界文学のあらゆる材料からとられた。

 世界の正しいあり方を教えることが一貫した主旨であるが、とくに個人の魂の救いを追求したJ・ビーダーマンと、教会の勝利をうたったN・アバンチーニが代表者である。

[尾崎賢治]

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