日本大百科全書(ニッポニカ) 「いかの墨煮」の意味・わかりやすい解説
いかの墨煮
いかのすみに
魚貝の豊富なスペインのバスク地方の代表的な料理であるが、スペインばかりでなく、イタリアのベネチア地方でもよく食されている。メニューでの扱いは魚料理と同様で、バターライスを添えて供することが多い。
材料は6人分でイカ1キログラム、タマネギ、トマト各250グラムに、オリーブ油、小麦粉、ニンニク、パセリを使用する。イカはよく洗い、墨袋をつぶさないように取り出しておいて、身を5ミリメートルぐらいの輪切りにする。まず、フライパンにオリーブ油を入れ、ニンニク、パセリ、タマネギのみじん切りをゆっくり炒(いた)める。次に湯むきしたトマトを加えてひと炒めしてから、イカを入れて1時間ほど蓋(ふた)をして煮込む。30分たったころに、裏漉(うらご)ししたイカの墨と、から炒(い)りした小麦粉を加える。水けの少ない場合は水を少々入れて、とろっとするまで煮込むとよい。
[ペレス・高木香世子]