イガクサ(読み)イガクサ(その他表記)Rhynchospora rubra

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イガクサ」の意味・わかりやすい解説

イガクサ(毬草)
イガクサ
Rhynchospora rubra

カヤツリグサ科の多年草。アジア東部から南部オーストラリア,日本では近畿以西の本州から琉球列島に分布し,日当りのよい低湿地に生える。茎は針金状で直立し高さ 30~70cm。葉は茎の基部に叢生し,幅 1.5~3mmの線形で長さは茎の半分ほど,基部は細い鞘となる。花期は8~10月で,頭状花序に1花を頂生する。頭花は径 1.5~1.7cmの球形または半球形で,熟すと黄褐色を帯び,基部に開出する葉状の包を5~10枚つけ,包の長いものは花序の径の3倍に及ぶ。和名は,頭状花序の小穂がとがっているのをクリいがに見立てたものであるという。

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世界大百科事典(旧版)内のイガクサの言及

【イヌノハナヒゲ】より

…本州の愛知県以西,四国,九州,琉球諸島を経て,中国南部,東南アジア,インドネシア,スリランカに分布する。 イヌノハナヒゲ属Rhynchospora(英名breakrush)は全世界に300種近くあるカヤツリグサ科の大きな属で,イガクサR.rubra (Lour.) MakinoやトラノハナヒゲR.brownii R.et S.のようにほとんどの種は熱帯産であるが,少数の種は温帯,寒帯にも分布している。たとえば白い三日月形の小穂をもつミカヅキグサR.alba (L.) Vahlは本州の高山や北海道に見られるが,さらに広くユーラシア大陸や北アメリカの寒帯に分布する。…

※「イガクサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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