ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カヤツリグサ科」の意味・わかりやすい解説
カヤツリグサ科
カヤツリグサか
Cyperaceae
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単子葉植物。熱帯から寒帯までのあらゆる条件下に生え、世界に約45属4000種ほどが知られ、イネ科やラン科についで大きな科である。日本には約20属、350種ほどが分布する。花は風媒で単純化が進んでいる。アブラガヤ属、フトイ属、ハリイ属、ワタスゲ属などは両性花で退化した花被(かひ)をもち、ハタガヤ属、テンツキ属、カヤツリグサ属などは両性花であるが、花被片は消失している。ヒゲハリスゲ属やスゲ属では花はさらに単純化し、花被もない単性花になり、それらの花が数個から十数個集まって小穂をつくる。イグサ科に近縁で、イネ科とは直接の類縁関係はないとされている。この科の植物はイネ科のように重要な食料になったものはなく、わずかに笠(かさ)や莚(むしろ)、籠(かご)を編むのに利用され、塊茎が食用にされるものがいくつかあるだけである。一方、水田や畑、果樹園などに雑草として生えるものが多く、農作物に大きな被害を与えるものもある。
[木下栄一郎 2019年7月19日]
APG分類でもカヤツリグサ科とされ、この分類法に基づくと世界に約100属5000種があるとされる(2018年のデータによる)。
[編集部 2019年7月19日]
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