山川 世界史小辞典 改訂新版 「イスラーム哲学」の解説
イスラーム哲学(イスラームてつがく)
al-falsafa
ギリシア語のphilosophiaがアラビア語に転訛した名称。特にアッバース朝初期に翻訳されたギリシア語文献の影響で,新プラトン主義的アリストテレス研究を主体とする。スンナ派ではファーラービー,イブン・シーナー,イブン・ルシュドらの思想がイブン・アルアラビーにおいて一つの完成をみたが,法学や神学での方法論的影響をよそに,哲学の教義はガザーリーをはじめウラマーに批判された。シーア派神学には大きな影響を与えた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報