イソミミズ(その他表記)Pontodrilus litoralis(=Pontodrilus matsushimensis

改訂新版 世界大百科事典 「イソミミズ」の意味・わかりやすい解説

イソミミズ
Pontodrilus litoralis(=Pontodrilus matsushimensis

貧毛綱フトミミズ科の環形動物海岸にすむミミズ。マツシマイソミミズともいう。本州各地に分布し,湾の奥のほうで波打ちぎわに打ち上がっている半ばくさった状態の海藻の下の砂利の中や,半ばくさったアマモなどの下に多くの個体が群がってすむ。体は淡紅色で,体長約10cm,体幅2~2.5mm,体節数100内外。環帯は第13~17体節の5体節を占める。雄性孔と産卵孔はそれぞれ1対あり,雄性孔は第18体節に,産卵孔は第14体節にある。精巣は第10,11体節に各1対,卵巣は第13体節に1対ある。貯精囊は第11,12体節にある。釣りの餌に用いられる。海岸にすむミミズにイソヒメミミズPachydrilus nipponicusがある。北海道各地に分布し,満潮線近くの有機物の多い石の下にすむ。体長約3cm,体幅0.8mm,環帯は乳白色で第12,13体節に位置する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イソミミズ」の意味・わかりやすい解説

イソミミズ
Pontodrilus matsushimensis

環形動物門貧毛綱新貧毛目フトミミズ科。腹面に挾着器をもつ海産のミミズ。体長 10cm,体幅 2mm内外,体節数約 100。環帯は第 13~17体節にあり,第 18体節に挾着器がある。第 14体節に産卵孔,第 18体節に雄性孔が開く。貯精嚢は第 11と第 12体節にある。海岸に打上げられてなかば腐敗した海藻の下の砂礫中にすむ。本州以南に広く分布する。

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世界大百科事典(旧版)内のイソミミズの言及

【ミミズ(蚯蚓)】より

…一部に淡水産と海産のものがある。(3)海産 フトミミズ類のイソミミズとヒメミミズ類のイソヒメミミズの2種が知られている。イソミミズは体長10cmほどで,本州各地の海岸のくさりかけた海藻や砂利の中にすむ。…

※「イソミミズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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