環帯(読み)カンタイ

デジタル大辞泉 「環帯」の意味・読み・例文・類語

かん‐たい〔クワン‐〕【環帯】

シダ類胞子嚢ほうしのう上に、一列または一団をなして輪のように並んでいる細胞。乾燥すると収縮するため胞子嚢が裂け、胞子を放出する。
ミミズ・ヒル類の体の前方にある、他の部分と色を異にして体を取り巻いている帯状の部分。

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精選版 日本国語大辞典 「環帯」の意味・読み・例文・類語

かん‐たいクヮン‥【環帯】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 貧毛類(ミミズ類)やヒル類が性的に成熟した時に生ずる帯状の部分。体前方の三つの体節が一つの帯状にふくれ、この表面から粘液を分泌して卵包膜を形成し、その中に卵子を産む。〔生物学語彙(1884)〕
  3. シダ植物の胞子嚢(ほうしのう)上を環状にとり囲んだ厚膜の細胞群。薄嚢胞子類では、その働きで乾燥した胞子嚢が裂けて胞子を放出する。〔生物学語彙(1884)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「環帯」の意味・わかりやすい解説

環帯
かんたい

シダ類の胞子嚢(のう)にみられる厚膜細胞群のことで、胞子嚢を開いて胞子をはじき出す装置として働く。ゼンマイ科フサシダ科では、少数の厚膜細胞が1か所に集まっただけであるが、その他のシダ類では、1列の厚膜細胞群からなり、胞子嚢を1周するものを完全環帯(ウラジロ科コケシノブ科キジノオシダ科など)、1周しないものを不完全環帯(ウラボシ科)という。

[安田啓祐]

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百科事典マイペディア 「環帯」の意味・わかりやすい解説

環帯【かんたい】

ミミズ類およびヒル類の体の前方にある幅の広い帯状の部分で,体の他の部分と色が異なる。3〜5個の体節が合わさったもので,生殖時期によく発達し,粘液,タンパク質,卵嚢を作る物質などを分泌する3つの腺をもつ。
→関連項目ミミズ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「環帯」の意味・わかりやすい解説

環帯
かんたい
annulus

シダ植物の胞子嚢に生じる厚膜細胞が1列に並んでできる帯状組織。この特殊細胞組織の収縮により胞子嚢壁が裂けて,その結果胞子が外に放出される。

環帯
かんたい
girdle

環形動物のうちミミズやヒルの体の前方にある特別な数個の体節。生殖孔がある。

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普及版 字通 「環帯」の読み・字形・画数・意味

【環帯】かんたい

めぐらし帯びる。

字通「環」の項目を見る

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