イデオロギーとユートピア(その他表記)Ideologie und Utopie

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

イデオロギーとユートピア
Ideologie und Utopie

ドイツの社会学者 K.マンハイム著。 1929年刊。本著は,(1) イデオロギーユートピア,(2) 政治学科学として成立するか,(3) ユートピア的意識,の独立した3論文から成る。 (1) では主としてイデオロギーを論じ,あらゆる思想存在被拘束性認識という知識社会学の基本的立場が明らかにされ,(2) ではその政治学への適用として「社会的に自由に浮動するインテリゲンチャ」による政治の総合的な把握が提唱される。 (3) は現実隠蔽的に機能するイデオロギーに対し,現実破壊的,革命的なものとしてのユートピアを論じる。本著は知識社会学を体系的に示したものとして,以後の社会学,政治学に大きな影響を与えた。

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世界大百科事典(旧版)内のイデオロギーとユートピアの言及

【マンハイム】より

…しかしナチスの台頭でロンドン大学に移り,その地で客死した。ハイデルベルクの知的雰囲気の中で,はじめ認識論的関心から出発したが,やがて新カント派にあきたらず〈歴史主義〉的立場に立って独自の途をひらき,《イデオロギーとユートピア》(1929)によって脚光を浴びる。〈存在被拘束性〉という観点からするイデオロギー批判の方法は,各方面に多くの影響を与え,知識社会学の礎石となる。…

※「イデオロギーとユートピア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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