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政治学 せいじがく political science

翻訳|political science

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

政治学
せいじがく
political science

政治を対象とする研究,学問。政治学は紀元前5世紀末にさかのぼるといわれる。すなわち,プラトンアリストテレスポリスを対象として哲学的,倫理的,かつ実証的考察を行なった。特にアリストテレスの『政治学』は,今日の政治学よりはるかに広い意味をもつ人間の倫理的,社会的諸関係全体を包括するものであった。

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デジタル大辞泉の解説

せいじ‐がく〔セイヂ‐〕【政治学】

政治に関する諸学問。政治哲学・政治科学・政治史などの総称。狭義には政治に関する科学的研究。

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百科事典マイペディアの解説

政治学【せいじがく】

政治現象を研究対象とする学問。英語でpolitical science,ドイツ語でpolitische Wissenschaftなど。古代ギリシアのプラトンやアリストテレスの研究に始まるとされるが,近代に至るまで神学や倫理学との区別は明らかでなかった。
→関連項目行動科学

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世界大百科事典 第2版の解説

せいじがく【政治学 political science】

政治学は,狭い意味では,今日の現実政治についての学問を意味するが,広義では,一般に政治についての研究の総称として用いられている。それは,大学の教科などにおいて,およそ次のような分野に分かれている。(1)政治制度や機構についての研究 政治機構(制度)論,国家論,公法学,(2)官僚制や行政についての研究 行政学,地方自治論,(3)政治的決定の内容や方法についての研究 政策学,戦略論,意思決定論,(4)政治的決定にいたる過程の研究 政治過程論,(5)政治的指導者やエリートの研究 リーダーシップ論,エリート論,(6)政治的集団の研究 政党論,圧力集団論,大衆運動論,(7)政治的イデオロギーや思想の研究 イデオロギー論政治思想史,(8)大衆の政治意識や心理についての研究 政治意識論,政治心理学政治文化論,政治人類学,(9)政治の社会的背景や条件の研究 政治社会学,(10)政治発展や変動についての研究 政治発展論政治変動論,革命論,(11)政治についての一般理論 政治体系論,政治構造論,(12)政治現象への数量的・実証的研究 政治行動論,数理政治学,(13)政治についての歴史的研究 政治史,(14)政治についての比較研究 比較政治学,各国研究,(15)国際社会の政治についての研究 国際政治学国際関係,などである。

せいじがく【政治学 Politika】

アリストテレスの著書。この書はギリシア政治思想の結晶として,またその後への影響の大きさにおいて,政治思想上の古典中の古典である。全体は8巻から成り,その内容は多岐にわたるが,要点としては次の2点が挙げられる。第1は,〈人間は生来,ポリス的動物である〉という有名なテーゼである。これはポリス(都市国家)が人間にとって欠くべからざるもの,人間の目的,とくにその倫理性がポリスの中においてのみ実現されるという考えを示している。

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大辞林 第三版の解説

せいじがく【政治学】

政治現象や、その本質について分析・研究する学問。古代ギリシャに始まり、科学的解明をめざす近代政治学は一六世紀のマキャベリらにより樹立された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

政治学
せいじがく
political science

政治学は、西欧においては、古代ギリシア・ローマの時代から、この名称で知られた、もっとも古い学問の分野の一つであった。政治学の西欧における語源は古代ギリシアの都市国家であるポリスに由来する。つまりそれはポリスにおける公共生活を対象とする学問として発達した。アリストテレスはこれを「諸学の女王」とよんでいる。けれども、古い歴史をもつ学問であるだけに、その学問的性格や方法はきわめて雑多であり、厳密な意味での学問としての確立は比較的最近のことに属する。政治学がもっとも古くてまた新しい学問だといわれるゆえんがここにある。
 古代のアリストテレスが政治学の始祖とよばれ、そして近代初期のマキャベッリが近代政治学の父といわれるのは、彼らの政治研究が、政治の現実を実証的、経験的に考察し、分析し、一定の法則化、理論化を行い、また比較するための理論的枠組みを構築したからにほかならない。もちろん彼らにおいても政治における理念の考察や理想の追求などがみられないではないが、彼らが経験科学としての政治学の樹立に大きな影響を及ぼしたことは否定できない。[福岡政行]

政治学という概念

政治学は以上のような歴史的背景をもっているので、政治学という概念は、広義、狭義にわたり、さまざまな意味に用いられている。もっとも広い意味では、政治学は、およそ政治に関するいっさいの理論的、歴史的、思想的、哲学的、科学的研究や考察をさし、とくに哲学と科学の区別や、歴史・理論・政策の区別などもなされない。
 しかし政治学をより狭義に用いる場合には、政治に関する実証的、経験的な研究をさし、政治に関する宗教的、哲学的、倫理的考察、つまり政治や国家の本質や目的、実現すべき理念や価値などの考察、あるいは一定の世界観やイデオロギー、形而上(けいじじょう)学などの立場からする政治の研究などは除外される。つまり経験科学あるいは最近のより厳格な方法論に基づく行動科学としての政治学に限定して用いられる。そして、こうした狭義における政治学=政治科学のなかでも、最近は、従来の「政治学」が経験科学あるいは社会科学としてかならずしも方法論的には厳格ではなく、また実証性において不十分であったという批判が加えられ、それと区別する意味で「政治分析」political analysisという表現が用いられる。また従来の法的、制度的側面を重視した「伝統的政治学」に対して、政治における行動や過程の分析に重点を置くものとして「行動論的政治学」とか「現代政治学」という呼び方がなされることもある。
 政治学が独立した学問として大学に設置されるようになったのは19世紀後半であり、それまでは法学の一部(ドイツ)、あるいは歴史研究の一部(アメリカ)をなしていた。政治学が盛んに研究されるようになったのは第二次世界大戦以降であり、今日では、「政治学」「政治学史(政治思想史)」「比較政治」「政治社会学」「政治意識(行動)論」「国際政治」などさまざまな諸分野に分かれて研究が進められている。[福岡政行]

日本の政治学

このような政治学の歴史の下で、日本の政治学は、戦前においてはドイツ国家学・公法学の影響が強く、必然的に、国家あるいは憲法という概念を中心とした研究が多くみられた。しかし、小野塚喜平次(きへいじ)により政治学が国家学から独立し、吉野作造が独自のデモクラシー論を主唱し、大山郁夫(いくお)によって社会学的に政治学が研究され、「社会法則」の樹立が試みられるなかで、政治学がしだいに「科学としての政治学」への転化を示し始めていたのである。それゆえ、政治学の一社会科学としての自立は確保されたと考えられる反面、政治学が国家あるいは国体(とくにこの当時のファシズム的なもの)に触れざるをえないため、どうしても天皇制という時代的制約が課せられてしまうことにもなったのである。
 第二次大戦が終わって、日本のあらゆるところに、そしてあらゆる面に自由がもたらされたとき、政治社会もそして政治学も長い間の拘束から解放され、新しい出発へと踏み出した。戦後日本の政治学は、アメリカの行動論的、システム論的、機能論的研究の影響を強く受けながらも、日本独自の研究を推進することを目ざした。政治学の各分野でもしだいにユニークな研究が試みられ、政治意識、投票行動の研究などもかなりの程度、実証的なデータを収集し、利用可能な状態にまで成長してきた。この結果、日本という政治的現実を研究対象とし、アメリカの研究方法を利用した調査なども数多く行われた。[福岡政行]

政治学の統合的役割

かつて、マスター・サイエンスmaster science(統合科学)の地位を与えられていた政治学は、現在、隣接諸科学からの激しい研究領域上の侵犯を受けている。政治学は経済学、法学、経営学、社会学、心理学などとともに社会科学の一分野として位置している。そして、統合的役割を果たすために、あらゆる学問をまとめて、社会的現実の的確な予測と価値方向定位を可能にしなければならないという使命を内包している。丸山真男(まさお)は政治学の研究者を評して「あらゆることについて何事かを知っており、何事かについてあらゆることを知っている人」と述べ、それはオーケストラの指揮者のような人であると規定する。つまり、オーケストラのあらゆる楽器についての知識dilettantismと指揮法についての完全な知識professionalismの双方を身につけていることである。政治学の研究者には、政治学が本来統治の術であり、そのためにあらゆる情報を分析して判断するものであるから、必然的に学際的な協同研究の姿勢がみられるのである。一方、複雑・多岐化している社会現象に対しては、どうしても複眼的なアプローチが必要である。そのためにも、もっとも複雑な機構と機能を有する「権力」を研究対象とする政治学が広い知識の利用を試みて、いろいろな隣接科学との協同研究を行うことが必要となる。政治学の学際的研究が進むとき初めて、政治学の社会科学における学問的位置が確定し、その存在が示されるといわれる。[福岡政行]

政治学のジャンル

それでは、今日、政治学の大学における講座はどのようになっているのか。標準的な講座は次の10ジャンルである。(1)国家論 この領域は、ドイツ国家学や公法学の影響を受けて、古いタイプの研究領域であるが、現在においても、現代国家論、行政国家論、福祉国家論というような形で、国家全体を研究するテーマでもある。しかしながら、最近では、政治体系論が研究の主流になっていることを考えると、国家を一元的にとらえるのではなく多元的にとらえるアプローチが重要になってきている。(2)政治制度論 政治制度論は、憲法学の影響を受けており、比較政治機構論あるいは政治制度論というような形で主要な研究対象を議会や政党など政治制度に限定したものであり、伝統的な政治アプローチである。(3)政治過程論 今日において政治学の研究がシステム理論の影響を強く受けるなかで、政治過程論という講座が政治学の主要な研究領域になってきた。これは、政党、圧力団体、選挙、マスコミ、官僚制など、いわゆる政治過程のなかのさまざまのエージェントがどのようにして政治的なメカニズムを果たしていくのかということを中心的対象としているのである。政党論は、そのなかでも現代政治が政党政治をその基底に置いていることから重要な研究領域となっているし、圧力団体は政党を補足する形で、また議会デモクラシーのなかで選挙論、マスコミ論なども重要なテーマとなっている。さらに、官僚制の研究は、マックス・ウェーバーの研究以後、政治学においても不可欠の分野であり、今日では、政策決定などの分野においても重要視されている。(4)行政学 今日的世界が行政国家的な状況を呈しているということから、行政学は重要な研究領域であり、地方行政、自治行政、地方自治論などとあわせて、政治学の主要な一画を占めている。(5)国際政治論 政治学は、内政的な問題のみならず国際関係の分野についても多くの問題を提起している。そのために、外交史あるいは国際政治論、集団安全保障論など、国際関係論が政治学の一分野となっている。(6)行動科学的政治学 この分野は、政治学のなかでも新しい分野として、政治社会学、政治心理学、政治意識論、政治文化論あるいはまたリーダーシップ論等々の講座名となっており、人間の行動を中心に政治分析を行う手法であって、最近ではこれらの講座がかなり重要なものとなっている。(7)政治理論 政治についての理論研究は、すべての領域と関連するが、民主主義理論などに代表されるように、重要な分野である。最近では、政治変動論や政治発展論、あるいはエリート理論や意思決定論など、さまざまな理論が展開されるようになり、政治学の主要な講座として扱われている。また、単に歴史的、学説史的な研究にとどまるものではなく、研究対象との関係できわめて多彩な領域である。(8)計量政治学 政治学の研究領域のなかではもっとも新しいものであり、政治を計量的あるいは数量的に解明するもので、政治の科学化のもっとも典型的なタイプである。(9)比較政治 政治学の研究領域のなかでアメリカなどでは、比較政治の分野がきわめて大きなウェイトを占めており、日本においても比較政治学の講座は一般的となっている。現在においては、政治学は歴史的、地域的な比較がその根底にあることから、また、世界の政治状況が国内の政治に大きく影響することから、この比較政治という分野は最近ますます重要視されている。(10)政治哲学 この分野は、国家論と並び古いアプローチである政治思想、政治哲学、政治理論史等々の分野である。
 以上のように、政治学は、さまざまのジャンルに分かれているが、それらはすべて相互補完的であり、固有の領域の専門化と、他の領域との協同化が進んでいる。[福岡政行]

事実分析と価値判断

このように、政治学の研究は科学的なものと哲学的なものの二つに大別される。一方は、事実に基づいた実証主義Positivismから生じる「記述的」descriptiveな理論であり、他方は、価値を中心とした理想主義Idealismから生じる「規範的」normativeな理論である。そして、この両者の中間に「規定的」prescriptiveな理論が生じるのである。しかし、実際は先の二理論が混在して、きわめて恣意(しい)的で思弁的な理論が多くみられることもあり、中間に政策学も成立する。
 この政治学における事実分析と価値判断の問題は政治学における古くからの問題である。そして、とくに現在、「行動科学革命」が生じたあと、政治学においてもゲーム理論、モデル研究、シミュレーションなどの数学的手法が取り入れられ、投票行動、政治意識論などにおいて統計的手法が用いられ数量分析が多くみられることによって、政治学研究における価値判断の問題が重要となってきている。[福岡政行]

政治学の今日的課題

それゆえ今日、政治学はその方法論において大きな曲り角にたっているといわれる。しかしながら、政治のダイナミックな過程を鋭く照射する手法がとられ、政治を体系的、動態的に分析する傾向が高まっていることは否定できない。イデオロギー的なアプローチも、制度的なアプローチも、哲学的で思弁的なアプローチも、それぞれの存在は薄くなってきており、政治現象を実証的にとらえる科学的政治学が主流となっている。
 また、コンピュータの政治分析での利用が広まるなかで、ふたたび政治的方向定位という哲学的視点が欠落する傾向もある。それゆえ政治学は、むやみに方法論に苦悶(くもん)することなく、時の政治的課題に対して、あらゆるアプローチを試みることによって、事実解明を前提とし、そのうえで解決方法を思索する必要が叫ばれている。つまり政治学の今日的課題は、時代の政治的課題をいかに解明し、その解決策をつくりだすかにあるといえよう。いずれにせよ、日本の政治学のみならず、今日の政治学は、社会科学の一分野として、いかにして自立してゆくかが問われているのである。[福岡政行]
『D・イーストン著、山川雄巳訳『政治体系』第二版(1976・ぺりかん社) ▽飯坂良明・堀江湛編『ワークブック政治学』(1979・有斐閣) ▽飯坂良明著『政治学』(1975・学陽書房) ▽David Easton A Systems Analysis of Political Life (1965, New York)』

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世界大百科事典内の政治学の言及

【政体】より

…アリストテレスはプラトンのイデア論を批判し,百数十のポリスを比較検討して〈ポリス的動物〉にふさわしい政体を考察した。彼は《政治学》において,政体を支配者の数と支配の質的差異によって6種類に分ける。このうち王制は1人,貴族制は少数,〈国制〉は多数が,共通利益を目的に支配する正しい政体であるとする。…

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