ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イナームガオン遺跡」の意味・わかりやすい解説 イナームガオン遺跡イナームガオンいせきInamgaon 中部インド,マハーラーシュトラ州,プネー市近くの金石併用期の遺跡。中部インド金石併用諸文化のうちのマールワー文化とジョールウェー文化の層序を確認したことと,後期ジョールウェー文化の存在を明らかにしたことで重要な遺跡。下層のI期 (B.C.1600~1300年ころ) がマールワー文化,中層の II期 (B.C.1300~1000年ころ) がジョールウェー文化で,ともに網代泥壁の方形住居や住居内埋葬などが見つかっている。 III期 (B.C.1000~700年ころ) の後期ジョールウェー文化になると,II期の整然と配置された方形住居に代わって円形の住居が雑然と密集するようになり,土器の質も落ちる。これは乾燥化の影響によるものとも考えられている。また,黒縁赤色土器や大型の四足土器を陶棺に用いた埋葬などの出現から,この後南インドに広がる,いわゆる「巨石」文化との関連も指摘されている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by