イブンアルムカッファー(その他表記)Ibn al-Muqaffa`

改訂新版 世界大百科事典 「イブンアルムカッファー」の意味・わかりやすい解説

イブン・アルムカッファー
Ibn al-Muqaffa`
生没年:720-756

アッバース朝カリフ,マンスール書記カーティブ)。サンスクリットの動物寓話《パンチャタントラ》の中世ペルシア語訳を《カリーラとディムナ》の名で,またササン朝宮廷文学をアラビア語に翻訳したほか,独創的な倫理・教訓論や政治論を著した。イラン系貴族の血を引きイスラムへの改宗晩年で,内心ゾロアスター教マニ教などを信じるザンダカ主義者の嫌疑を受けて処刑された。新しい概念と語彙とをアラビア語に導入し,徳性,倫理を主題とするアダブ文学を開いた。
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関連語 後藤

世界大百科事典(旧版)内のイブンアルムカッファーの言及

【アラブ文学】より

…これはアブド・アルハミード・アルカーティブ‘Abd al‐Ḥamīd al‐Kātib(?‐750)によって確立された。彼の弟子イブン・アルムカッファーおよびジャーヒズを経てアラブ散文文学,アダブadab文学(アダブは,アラビア語で礼儀作法,教養を表す)は頂点に達する。
[アッバース朝時代]
 8世紀に入るとアラブ文学の中心地はイラクの都市に移った。…

※「イブンアルムカッファー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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