ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イブン・ケマル」の意味・わかりやすい解説
イブン・ケマル
İbn Kemal
[没]1534.4.16. イスタンブール
16世紀のオスマン帝国を代表する学者,歴史家。本名 Kemalpaşa-zâde Ahmet Şemseddin。若い頃は武人として名をあげたが,その後,学問に励み,イスラム神学院教授,大法官を経て,1525年にシェイヒュル・イスラム (イスラム最高法官) に就任し,死にいたるまでこの職責を果たした。イドリス・ビトリスィの『七つの楽園』 Heşt-Behiştのトルコ語訳や,ペルシア語,トルコ語による詩,散文に優れた。特に歴史家として名高く,代表作は,モハッチの戦い (1526) を描いた『モハッチの書』 Mohaç-nâme,『オスマン王家の歴史』 Tevârîh-i Âl-i Osmân。
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