インテグラリスタ党(読み)インテグラリスタとう

改訂新版 世界大百科事典 「インテグラリスタ党」の意味・わかりやすい解説

インテグラリスタ党 (インテグラリスタとう)

1930年代ブラジルのファシズム政党,ブラジル統合主義運動Ação Integralista Brasileira(略称AIB)の俗称。サン・パウロのジャーナリスト,サルガードPlínio Salgado(1895- )によって1932年結成された。イタリア・ファシズムのブラジル化とカトリック化を志したサルガードは“神・祖国・家庭”“秩序進歩”をモットーとして,有機的な階級調和的国家建設をめざした。下級中間層をはじめ,軍,政府,教会,南部ドイツ人社会の中に浸透し,一時は党員20万を擁した。バルガス大統領に協力して共産党を追い落とし,大統領の独裁体制〈新国家(エスタード・ノーボ)〉樹立に協力してその中核組織になるかにみえた。しかし対米協調路線を採用して極右切捨てを図るバルガスと,党の民兵組織を警戒する軍部によって37年12月解散に追いこまれた。この措置に抵抗した党員は,翌年大統領官邸を夜襲したが失敗し,サルガードはポルトガルへ亡命した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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