インテル・ミラノ(読み)いんてるみらの

知恵蔵 「インテル・ミラノ」の解説

インテル・ミラノ

イタリアのサッカー1部リーグ(セリエA)優勝18回、UEFAチャンピオンズリーグ優勝3回などの成績を誇る、イタリア屈指の強豪クラブ。2010年はトヨタ・クラブワールドカップを制し、クラブチーム世界1位となった。11年1月現在、元ブラジル代表選手で、日本の鹿島アントラーズでもプレーしたレオナルドが監督を務める。本拠地はミラノのジュゼッペ・メアッツァ(収容8万5766人)。創設以来、1度もセリエB転落のないただ一つのチームである。
1908年創設。ACミランと同じく「ミラン・クリケット・アンド・フットボール・クラブ」を祖とするが、当時、外国人選手の加入問題を巡ってクラブ内で対立があり、外国人加入積極派が「Internazionale」(イタリア語で「国際の」の意味)として独立したのが始まりである。現在でも、インテル・ミラノとACミランは激しいライバル関係にある。
20年代から始まったファシズムの時代には、国粋主義政権から冷遇され、クラブ名もインテルを名乗ることを許されず「アンブロシアーナ」に強制的に変えられた。しかし、この時期には3度のセリエA優勝を遂げ、当時活躍しイタリア最高のFWと言われるジュゼッペ・メアッツァの名は後にホームスタジアムの名称に冠された。
45年、第2次世界大戦の終戦により、クラブ名をインテルに戻す。60年代にかけて、UEFAチャンピオンズカップ、インターコンチネンタルカップを各2回優勝など数々のタイトルを獲得。65/66年シーズンには、セリエA通算10回優勝を達成し、ユベントスについで、リーグ優勝10回獲得を表す星印ユニホームにつけることが許された。
その後は、60年代に見せた圧倒的強さを失い、「万年優勝候補」となっていたが、2006年に審判買収などいわゆるカルチョスキャンダルで1位、2位チームにペナルティーが科せられ、セリエAの優勝がインテルに転がり込んだ。以降、セリエAを5連覇し、再び黄金時代を築いている。11年1月31日には、日本の長友佑都が入団した。

(葛西奈津子  フリーランスライター / 2011年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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