知恵蔵 「インテル・ミラノ」の解説
インテル・ミラノ
1908年創設。ACミランと同じく「ミラン・クリケット・アンド・フットボール・クラブ」を祖とするが、当時、外国人選手の加入問題を巡ってクラブ内で対立があり、外国人加入積極派が「Internazionale」(イタリア語で「国際の」の意味)として独立したのが始まりである。現在でも、インテル・ミラノとACミランは激しいライバル関係にある。
20年代から始まったファシズムの時代には、国粋主義政権から冷遇され、クラブ名もインテルを名乗ることを許されず「アンブロシアーナ」に強制的に変えられた。しかし、この時期には3度のセリエA優勝を遂げ、当時活躍しイタリア最高のFWと言われるジュゼッペ・メアッツァの名は後にホームスタジアムの名称に冠された。
45年、第2次世界大戦の終戦により、クラブ名をインテルに戻す。60年代にかけて、UEFAチャンピオンズカップ、インターコンチネンタルカップを各2回優勝など数々のタイトルを獲得。65/66年シーズンには、セリエA通算10回優勝を達成し、ユベントスについで、リーグ優勝10回獲得を表す星印をユニホームにつけることが許された。
その後は、60年代に見せた圧倒的強さを失い、「万年優勝候補」となっていたが、2006年に審判買収などいわゆるカルチョスキャンダルで1位、2位チームにペナルティーが科せられ、セリエAの優勝がインテルに転がり込んだ。以降、セリエAを5連覇し、再び黄金時代を築いている。11年1月31日には、日本の長友佑都が入団した。
(葛西奈津子 フリーランスライター / 2011年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報