フットボール(読み)ふっとぼーる(英語表記)football

翻訳|football

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フットボール」の意味・わかりやすい解説

フットボール
ふっとぼーる
football

サッカーラグビー、それにアメリカンフットボールと同様に、スティックなど他の器具を使わず、ボールゴールに持ち込む競技総称。足だけでボールを操作するのがサッカーで、これがフットボール原型だった。

 1823年にイギリスラグビー校でサッカーの試合が行われたとき、同校のエリス少年が「足だけを使う」というルールを犯して、両手でボールを持ってゴール目がけて走りだした。これを見た関係者の一人が「おもしろい競技になりそうだ」と考え、足(蹴(け)る)中心から手に持って走ることを中心としたラグビーが誕生したわけである。

 アメリカンフットボールは、ラグビーにいっそう融通性をつけた。ラグビーでは禁止されている前へ投げる(前パス)ことが認められていることと、ダウンシステムで攻撃と守備とが明確に区別されていることである。

 サッカーとラグビー、アメリカンフットボールの違いはボールの形で、サッカーは丸いボールを使うのに対し、ラグビー、アメリカンフットボールは、楕円(だえん)形のボールを使用している。

 対戦人数は、サッカーが10人(ゴールキーパーを除く)、アメリカンフットボールが11人、ラグビーが15人となっている。なお、フットボールには、これらの競技に使われるボールという意味もある。

[石井恒男]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フットボール」の意味・わかりやすい解説

フットボール
football

ボールを蹴る球技の総称,またその競技に用いられるボールをいう。アソシエーション式 (サッカー ) ,ラグビー式 (ラグビー ) ,アメリカ式 (アメリカンフットボール ) ,ガリア式 (ゲーリックフットボール ) ,オーストラリア式 (オーストラリアンフットボール ) などがある。 12世紀のイングランドで町や村などの対抗戦や祭りの一環としてフットボールが行なわれていたという記録が残っており,現在の競技の起源とされる。町そのものや野原などを舞台に,ときには 1000をこす人々が一つのボールを蹴ったり投げたりして争奪し合いながらゴールに運ぶというもので,建物が破壊されたり死者が出るなどきわめて粗暴であったため,しばしば禁止令がしかれた。 19世紀頃からはパブリック・スクールや大学でも頻繁に行なわれるようになり,ルール整備のため 1863年フットボール・アソシエーション FAロンドンに設立,1870年までにボールを持って走ること,相手のすねを蹴ること,手でボールをキャッチすることを禁止する競技規則が制定された。 1871年にはラグビー・フットボール・ユニオン RFUが結成された。 1870~80年代アメリカでラグビーの変形としてアメリカンフットボールの原型がつくられた。 1960~90年代競技を簡易化して安全にプレーできるようにしたタッチラグビー,タッチフットボールなどが考案された。

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