日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィネベーゴ」の意味・わかりやすい解説
ウィネベーゴ
うぃねべーご
Winnebago
スー語系の北米先住民(アメリカ・インディアン)。かつては現在のウィスコンシン州東部、グリーン湾岸付近に住んでいた。丸屋根の小屋に住み、トウモロコシ、カボチャ、マメ、タバコなどを栽培するほか、平原で野牛の狩猟も行っていた。出自は父系、結婚後の居住規制は夫方居住。二つの外婚半族に分かれ、上(大気)半族は4氏族、下(大地)半族は8氏族からなっていた。彼らの宗教で重要なものとして、春に行う野牛の群れを呼び寄せるための儀礼、夏には人間と社会の健康を祈るための踊り、冬には戦争と狩猟における力を強めるための祭りがあった。ウィネベーゴの起源は不明だが、17世紀中葉のイエズス会の書類にその名がみられ、このころからウィネベーゴは西方へ拡張し、19世紀初めにはウィスコンシン州南西部の大部分とイリノイ州北東部の一部を占め、人口も6000人ほどいたが、その後天然痘の流行やインディアン強制移住によって人口が減少した。1865年に最終的にネブラスカ州北東部の現在の保留地に落ち着いた。他方ウィスコンシン州にとどまった人々も多い。
[板橋作美]