六訂版 家庭医学大全科 「ウイルス性肺炎」の解説
ウイルス性肺炎
ウイルスせいはいえん
Viral pneumonia
(呼吸器の病気)
どんな病気か
ウイルスによる肺の病気は「かぜ症候群」として広く知られています。その多くは自然に治癒しますが、なかには下気道へと進展し肺炎を合併することがあります。
肺炎の原因には、①ウイルスそのものが肺炎を起こす場合、②ウイルスと細菌が混合感染し肺炎を起こす場合、③ウイルスが先行感染し、これに続いて細菌が二次的に肺炎を起こす場合、の3つがあります。一般的には、ウイルス単独による肺炎よりも細菌感染を合併症した肺炎が多く、純ウイルス肺炎をみることは少ないです。
原因は何か
ウイルス性肺炎は小児ではしばしばみられ、成人では比較的まれな病態です。また、小児期では年齢による差が著明です。
健常な成人に発症した肺炎の原因ウイルスに関する検討では、インフルエンザウイルスが最も多く、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルスがこれに続きます。また、現在は制圧されていますが、世界を震撼させた新型コロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群(SARS)は忘れてはならないウイルスです。
以下に、ウイルス性肺炎のなかで最も重要なインフルエンザウイルス肺炎について述べます。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報