ウエンチャシ(読み)うえんちやし

日本歴史地名大系 「ウエンチャシ」の解説

ウエンチャシ
うえんちやし

アイヌ語に由来する地名。当地一帯は近代に入り札幌通さつぽろどおりに包含された。表記は「ウエンチヤシ」「ウヱンチヤシ」(「東行漫筆」、木村「蝦夷日記」など)のほか「ウヱンツヤシ」(板本「東蝦夷日誌」)もある。木村「蝦夷日記」に「ウヱンチヤシ城に訳(寛政一〇年五月二九日条)みえ、松浦武四郎は「此処ニ昔此辺りの酋長城郭を構えしと聞く」(「蝦夷日誌」一編)、「ウエンチヤシ出岬悪城跡の義也」(板本「東蝦夷日誌」)、「ウエンは悪と云事、チヤシは城と云由也」と述べ、また「此所に城跡といママものある也。昔此城攻落されし時女壱人残、其女常に着る袋女夷の下着也を着ながら此間を游ぎ越モロランえ着しより悪き城と号しとかや」(以上「廻浦日記」)という伝承を記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android