山川 世界史小辞典 改訂新版 の解説
ウズベク・ソヴィエト社会主義共和国(ウズベク・ソヴィエトしゃかいしゅぎきょうわこく)
O‘zbekiston Sovet Sotsialistik Respublikasi
ソ連を構成していた共和国の一つ。ロシア革命期,ムスリム知識人らはコーカンドでトルキスタン自治政府を形成したが,タシケントのソヴィエト政権はこれを倒し,トルキスタン自治ソヴィエト社会主義共和国をつくった。またブハラ・アミール国とヒヴァ・ハン国からは,ブハラ人民ソヴィエト共和国とホラズム人民ソヴィエト共和国がつくられた。1924年の民族共和国境界画定により,3共和国のそれぞれ一部を合わせて成立したのがウズベク共和国である。20年代に反ソ勢力のバスマチ運動が起きた。首都は当初サマルカンドだったが,30年に中央アジア最大の都市タシケントに遷都した。西部にカラカルパク自治共和国を包含。中央アジアの古来の主要都市の大半を領内に収め,綿作を中心に重点的な投資を受けた。第二次世界大戦期にロシアの工場が疎開してきたことなどで,工業も発展。ソ連時代末期には,綿作をめぐる汚職,過度の灌漑によるアラル海の縮小や,フェルガナ盆地での民族紛争が問題になった。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報