エクアトリウス(その他表記)Equatorius

改訂新版 世界大百科事典 「エクアトリウス」の意味・わかりやすい解説

エクアトリウス
Equatorius

ケニアのマボコ島(ビクトリア湖)とトゥゲン丘陵で発見されている1500万年前の化石類人猿。エクアトリウス・アフリカヌスE.africanus1種が知られている。この類人猿は,1967年にL.S.B.リーキーによって,マボコ出土の化石を模式標本とし,ケニアピテクス・アフリカヌスKenyapithecus africanusとして記載された。ケニアピテクスの模式種は先に記載されていたケニアピテクス・ウィッケリK.wickeriであったが,アフリカヌスとウィッケリとの歯の特徴の違いが大きいことから研究者の間で議論が続き,99年にトゥゲン丘陵産出のアフリカヌス資料を調査したS.ウォードらによって,新属エクアトリウスに移された。属名は赤道〈Equator〉にちなむ。同時期のナチョラピテクスなどと共通して,厚いエナメル質と頑丈な顎をもつ。体の大きさも性差も現生のヒヒ程度である。グリフォピテクスGriphopithecusとの近縁性が指摘されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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