エコノメトリック・モデル(その他表記)econometric model

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

エコノメトリック・モデル
econometric model

計量経済学模型。経済理論では経済的因果関係を一般的な数式で表現しているのに対し,計量経済学ではそれに現実のデータをあてはめ,最小二乗法 (回帰分析) や最尤法 (さいゆうほう) などの統計的手法を用いて具体的に推定するための方程式をいう。方程式が1個の場合が単一方程式モデルで,消費関数投資関数賃金・物価関数など個別経済変数の説明に用いられる。方程式が2個以上の場合が連立方程式モデルで,アメリカのワートン・モデル,日本の内閣府の短期予測モデルなどが著名であり,これらは経済構造の分析のほか,経済予測やシミュレーション (モデル実験) による政策効果の評価などに用いられている。

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世界大百科事典(旧版)内のエコノメトリック・モデルの言及

【ケインズ学派】より


[再び新古典派との論争の時代に]
 ケインズ経済学は第2次大戦後,主としてアメリカの経済学者たち(アメリカ・ケインジアン)によってより深い検討が加えられた。それと同時に,他方でケインズ理論に基づく統計的なモデル(エコノメトリック・モデル)の構築が進められたことも忘れることができない。これは,理論が定性的なものであるのに対し,現実のデータを用い,統計的な手法で経済変数間の定量的な関係をとらえようとするものである。…

※「エコノメトリック・モデル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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