エゴティスム(英語表記)égotisme[フランス]

改訂新版 世界大百科事典 「エゴティスム」の意味・わかりやすい解説

エゴティスム
égotisme[フランス]

自分自身の肉体的,精神的固有性への強い関心,およびその綿密な記述を指す。自我主義と訳される。利己主義を意味するエゴイズムと区別して,スタンダールがとくに好んでこの言葉を使用した。〈エゴティスムといえども,それが誠実なものである限り′,人間の心を描き出すひとつ方法である〉(スタンダール《エゴティスムの回想》)。J.アディソンの《スペクテーター》紙1714年7月2日号によれば,この語はポール・ロアイヤル修道院隠士に由来するという。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のエゴティスムの言及

【エゴイズム】より

…エゴティストは自尊心のために自分の欲望や利益を犠牲にすることもあるので,この点でエゴイストと区別される。一方,社会の因習や集団のエゴイズムに対抗して,エゴティストがみずからの自我を防衛し,かつ積極的に主張する場合(たとえばスタンダールのエゴティスム),彼のエゴティズムは個人主義の一形態であるロマン主義的個人主義と区別しにくい。しかし,かけがえのない個性を尊重するロマン主義的個人主義といえども,人はだれでも個性をもつという論法で,普遍主義へ向かう傾向が含まれている。…

※「エゴティスム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android