最新 地学事典 「エナメロイド」の解説
エナメロイド
enameloid
魚類の歯や鱗の表層を構成する高度に石灰化した硬組織。エナメル質に似たものの意味で,T.Ørvig(1967)・D.F.G.Poole(1967)によって提唱された。爬虫類や哺乳類の上皮性エナメル質に対して,間葉性エナメル質とも。無機質は主にりん灰石の微結晶(幅数十nm×長さ数百nm)からなるが,フッ素りん灰石からなるものと,水酸りん灰石からなるものがある。有機質は,コラーゲンとエナメル蛋白質からなる。最古のものは,オルドビス紀の異甲類Astraspisの皮甲の象牙質結節の表層。サメ類の楯鱗や硬骨魚類の硬鱗(ガノイン),両生類の幼生の歯にも存在する。歯胚の上皮細胞(エナメル芽細胞など)と間葉細胞(象牙芽細胞など)の両方によって求心方向に形成され,引き続いて象牙質が形成される。象牙細管を含むことが多い。条鰭類では,歯の先端部に帽エナメロイド,歯の側壁部に襟エナメロイドをもつものがあり,一部に鉄分が沈着して褐色を呈する着色エナメロイドをもつものがある。参考文献:後藤仁敏(1976) 地球科学,30巻
執筆者:後藤 仁敏
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

