エネツ族(読み)エネツぞく(英語表記)Enets

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エネツ族」の意味・わかりやすい解説

エネツ族
エネツぞく
Enets

ロシア,シベリアの中部エニセイ川下流東岸に居住する少数民族。民族名称は「人間」ennecheの意。しだいに近隣のネネツ族同化吸収され,1920年代には人口数十人にまで減少したが,2002年の調査では推計約 300人と報告されている。言語はウラル語族サモイェード語派に属するが,二つの方言をもち,その差異は非常に大きいとみられる。伝統的な生業はトナカイ牧畜と狩猟漁労で,ソビエト連邦時代にはネネツ族やガサナン族とともに,コルホーズソフホーズでトナカイ牧畜や漁労などに従事した。

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