ネネツ族(読み)ネネツぞく(英語表記)Nenets

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネネツ族」の意味・わかりやすい解説

ネネツ族
ネネツぞく
Nenets

西はウラル山脈のコラ半島から東はタイムイル半島にかけてのツンドラ,森林地帯に居住する少数民族。ネネツは自称で,かつては「ユラクサモイェード」と呼ばれた。人口約3万 5000。言語はウラル語族のサモディ語派に属し,ツンドラ方言と森林方言に大別される。伝統的生業はトナカイ牧畜を主とし,漁労,狩猟採集も行う。近年まではコルホーズソフホーズに組織されてきた。特にウラル山脈の西部ペチョラ川流域の住民は,17世紀からロシアの支配下に入り,経済的・社会的に著しい影響を受けた。一部にギリシア正教が受容されたが,他方では伝統的な信仰や儀礼,シャーマニズムも長く温存されてきた。また,豊かな口頭伝承には,祖先南方から到来したことを示唆する要素が認められる。

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