エルテベーレ文化(読み)えるてべーれぶんか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エルテベーレ文化」の意味・わかりやすい解説

エルテベーレ文化
えるてべーれぶんか

デンマークを中心に分布する中石器時代終末期の文化。ユトランド半島北部のエルテベーレErtebølle貝塚を標式遺跡とする。温暖で湿潤気候のもとに栄えた狩猟漁労文化で、貝塚も多く形成された。台形状の石鏃(せきぞく)や打製石斧(せきふ)などの石器、銛(もり)や釣針などの骨角器が盛んに用いられ、後半期になると土器磨製石斧が登場する。これらは南ヨーロッパの新石器文化の影響によるもので、やがて農耕文化へと移行する。

片岡 肇]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android