改訂新版 世界大百科事典 「エロア」の意味・わかりやすい解説
エロア
Jean-Claude Eloy
生没年:1938-
フランスの作曲家。1953-61年,パリ音楽院で作曲をミヨーに学んだのち,61-62年,バーゼル音楽学校でブーレーズに師事。63年,ダルムシュタット国際現代音楽夏期講習で,ブーレーズの指揮で初演された18楽器のための《エキバランス》によって注目された。この作品はポスト・ウェーベルン風だが,その後東洋の音楽に強い関心を示し,そうした傾向の作品を生みだしていく。72-73年にかけてケルンのWDR電子音楽スタジオで作曲した《シャンティ》や,75年に東京に滞在して,NHK電子音楽スタジオで制作した《楽の道》という演奏時間4時間20分を要するテープ作品などは,こうしたユニークな作風をみせる作品である。
執筆者:秋山 邦晴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報