エンブレマ(その他表記)emblema

改訂新版 世界大百科事典 「エンブレマ」の意味・わかりやすい解説

エンブレマ
emblema

ギリシア語の〈はめ込む(エンバレイン)〉に由来する言葉。美術分野で使われ,大きなモザイク面にはめ込まれた周囲とは主題技法の異なる部分を指す。とくにヘレニズム時代以降,モザイクに数種の技法が用いられるようになり,また邸宅の床をモザイクで装飾するようになると,モザイクの中央部分を周囲よりも丹念にしかも装飾の重点を中央部分に集中させたモザイク装飾法が生まれる。一般にエンブレマの周囲は幾何学文で装飾し,エンブレマには神話寓意静物などの主題を有する絵画的表現が多い。したがって,ヘレニズム後期からローマ帝政期のエンブレマには,ポンペイ出土のモザイクのようにヘレニズム絵画を反映したものが多く(例えば《ミノタウロスを退治するテセウス》),ヘレニズム絵画の現存作品がきわめて少ない現在,貴重である。帝政末期から初期キリスト教時代のエンブレマには宗教的な寓意像が多く認められる。なお,この言葉は金属器の打出し装飾の主要部分を指す場合もある。
モザイク
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 青柳

乞巧奠〈公事十二ケ月絵巻〉〘 名詞 〙 陰暦七月七日の行事。乞巧は技工、芸能の上達を願う祭。もと中国の行事であるが、日本でも奈良時代以来、宮中の節会(せちえ)としてとり入れられ、在来の棚機津女(たなば...

乞巧奠の用語解説を読む