デジタル大辞泉 「静物」の意味・読み・例文・類語 せい‐ぶつ【静物】 静止して動かないもの。多く、絵画の題材としての花・果物・器物などをいう。「静物の写生」[補説]書名別項。→静物[類語]オブジェ せいぶつ【静物】[書名] 庄野潤三の短編小説集。昭和35年(1960)刊。表題作のほか、「蟹」「五人の男」などの作品を収める。第7回新潮社文学賞受賞。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「静物」の意味・読み・例文・類語 せい‐ぶつ【静物】 〘 名詞 〙① 静止していて動かない物体。多く、静物画の題材としての、器物・花・果物などをさす。[初出の実例]「静物の写生なんかに凝ったものだ」(出典:鳥影(1908)〈石川啄木〉七)② 「せいぶつが(静物画)」の略。[初出の実例]「セザンヌの初期の静物にしろ風景にしろ」(出典:近代絵画(1954‐58)〈小林秀雄〉セザンヌ) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「静物」の意味・わかりやすい解説 静物せいぶつ 庄野潤三(しょうのじゅんぞう)の短編小説。1960年(昭和35)6月『群像』に発表。同年講談社刊の同名の作品集に所収。主人公と細君、小学5年生の長女、1年生の長男、3歳の次男のつつましく平和な家庭の生活をエピソードでつづる。主人公はその小さな幸福を包み込むようにたいせつにしているが、その背後で、かつて細君のした「あんなこと」が忘れられない。細君の自殺未遂は過去のこととしてはっきりは書かれていないが、その過去を克服する努力が、いまの平和を支えている。新潮社文学賞受賞。[鳥居邦朗]『『プールサイド小景・静物』(新潮文庫)』 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例