日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオアタマガメ」の意味・わかりやすい解説
オオアタマガメ
おおあたまがめ / 大頭亀
big-headed turtle
[学] Platysternon megacephalum
爬虫(はちゅう)綱カメ目カミツキガメ科のカメ。オオクビガメともよばれる。ミャンマー(ビルマ)南部、タイ、インドシナ、中国南部に分布する。独立の科として扱うこともあるが、頭骨などの構造からカミツキガメ科に含まれることが多い。甲長18センチメートル、背甲が平たく、尾は甲長と同じぐらい長い。頭部は大きくて甲長の半分ほどもあり、甲内に引っ込めることができない。しかし頭、四肢、尾は角質の厚い鱗(うろこ)で守られている。各指には鋭いつめがあって岩や木によじ登る。後肢の足指は4本しかない。山地の渓流にすみ、餌(えさ)は小魚、巻き貝、ミミズなどである。危険に出会うと白い瞬膜で目を覆い、嘴(くちばし)状の口を開いてシューシューと音をたてて脅かす。卵は一度に2個産む。
[松井孝爾]