軟甲綱十脚目オオエンコウガニ科。甲幅 20cmに達する大型種。甲の輪郭は丸みを帯びた四角形で,甲面の盛り上がりは弱い。額縁に 4突起,前側縁に眼窩外歯を含めて 5歯がある。前側縁の第2歯,第4歯は幼若個体では鋭いが,大型個体では摩滅したように不明瞭となる。甲,鋏脚,歩脚は一様に黄褐色ないし黒褐色。房総半島沖から東シナ海までの水深 300~1000mの泥底にすむ。底引網で漁獲され食用とされるが,あまり多産しない。同属の 27種のうち,アメリカ合衆国東部産の C. quinquedens(deep-sea red crab)と C. fenneri(golden crab),アフリカ西岸産の C. maritae と C. erytheiae は多量に漁獲される重要種である。日本ではアフリカ西岸産がマルズワイガニの名で缶詰に加工・販売されている。(→甲殻類,十脚類,節足動物,軟甲類)