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額縁 がくぶち picture frame

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

額縁
がくぶち
picture frame

油絵,素描,水彩,版画などの絵画作品を納め,保存と展示,移動のために用いられる枠縁。 17世紀,油彩画,特に板,カンバスの材料を用いた絵画の移動と装飾のために発達。多くは木製縁に漆喰鍍金の装飾を施す。

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額縁
がくぶち
casing; architrave

建築用語。窓や出入口のまわりを飾るために取付けられる木材のことをいう。ヨーロッパの中世建築では華麗な装飾が施された。現代では,むしろ,窓や出入口の枠と壁との納まりのために使用され,枠と同じ材料を使うことも少くない。

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デジタル大辞泉の解説

がく‐ぶち【額縁】

絵・写真・書画・賞状などを入れて壁などに掛けるための枠。がく。
窓・出入り口などの周囲につける飾りの木枠。
劇場の舞台の上下左右の区切り。
掛け布団の表地の周りにつけた額縁のようなへり。

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リフォーム用語集の解説

額縁

窓や室内ドアや出入口などの建具の上枠・たて枠に額縁のように取り付ける化粧枠。大壁の場合に用いられることが多く、建具枠を意匠的に重厚にしたり、枠と壁の納まりを良くするために設けられることが多い。

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世界大百科事典 第2版の解説

がくぶち【額縁】

絵画を鑑賞しやすくし,またその保護と装飾を兼ねて用いられる調度品。英語ではフレームframeフランス語でカードルcadreという。主として西洋画に用いられるが,広義には,東洋の絵画や書などを掲げる際の同種のものも含まれる(扁額掛物)。 額縁の形式はさまざまであるが,原則的には,画面を一定の幅の枠で縁取る形をとる。これによって作品とそれを掛ける壁面とを視覚的に切り離し,作品を鑑賞しやすくする一方,作品と壁面とを適度に調和させる役割も担うのである。

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大辞林 第三版の解説

がくぶち【額縁】

書画・写真などを入れて掲げるための枠。
窓・出入り口の周囲につける飾りの木。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

額縁
がくぶち
picture frame英語
Bilderrahmenドイツ語
cadre de tableauフランス語

絵画などの平面的造形作品の周囲を限定する枠あるいは縁飾り。作品を壁面から独立した空間として際だたせ、鑑賞者の視線を集中させるとともに、作品を他の室内装飾と関連させ、環境と調和させる機能をもつ。したがって、額縁の歴史は、絵画芸術の様式的展開と建築室内装飾の発展に深いかかわりを有している。また、このような視覚的な機能と同時に、作品を堅固に支持し、物理的傷害から保護する役割も果たしている。古くは紀元前5世紀の古典期ギリシアにおいて、室内の壁面装飾として壁龕(へきがん)を設けたり絵画を掛けたりすることが行われ始め、それに伴って額縁も制作されるようになった。このような古代の額縁は、最初は単純な溝彫りを施した木枠にすぎなかったが、やがてヘレニスティック・ローマ時代にかけて板絵が隆盛するとともに、しだいに装飾的となり、木枠の上に金属の打ち出しやストゥッコの浮彫りを加えたものもつくられた。
 現在一般に用いられているような額縁は、壁面に掛けることを想定した板やカンバスのいわゆるイーゼル絵画が制作されるようになったルネサンス期に始まると考えられる。しかし、その視覚的構成要素の原型は、中世の装飾写本の挿絵の縁飾りや象牙(ぞうげ)浮彫り板の枠、さらに壁画の周囲の建築部材(柱や梁(はり)など)で構成される枠組みなどにみいだすことができる。また、建築的構造物である大祭壇画の大額縁も、額縁の機能を示す典型的な例として重要である。大祭壇画の額縁のデザインは、画面の空間構成と聖堂の建築様式に密接に関連している。それは、いくつもの画面を結合統一して全体の構成を荘厳(しょうごん)し、祭壇画を堂内の象徴的存在に高め、聖堂と同じ様式の小建築として堂内の建築空間に完全に融和する構造物である。この機能は、額縁の絵画作品そのものに対する意味と、室内装飾としての意味とをよく表しているといえよう。
 ルネサンス期以後、宮館や富裕な市民の邸宅内の壁面には、室内装飾としての絵画が不可欠のものとなった。15世紀イタリアのトスカナでは、とくにそのため美しい象眼(ぞうがん)を施した額縁が制作された。構造は建築的で、軒縁をもち、フリーズ浮彫りや刳型(くりがた)で装飾された形式のものが隆盛した。マニエリスムの時代には、花綱や人像柱で飾られた、材質的にも造形的にも彫塑的性格の強い額縁がつくられるようになる。このような額縁は、イタリア以外の国々、フランスをはじめドイツやフランドルでも大画面の重要な絵画作品に使用された。しかし一般の市民階級の室内では、とくに小品の肖像画などのために、より軽量で簡素な額縁が愛好された。直線的な溝彫りだけを施した木製の額も、イタリアでは金箔(きんぱく)が張られ、画面と接する内側には、細い彩色された枠縁がつけられていた。フランドル地方では、内枠に金縁を施しただけの黒檀(こくたん)の額縁が多くつくられ、この形式は17世紀に至るまで愛用された。
 17世紀以降19世紀まで、絵画の額縁は、バロック、ロココ、そして新古典主義に至る各時代、各地方の絵画様式と室内装飾の趣味に応じて、多様な展開を示している。さまざまな様式とその変遷は家具デザインの歴史に対応している。いずれにしても絵画の額縁は、現実の壁面と絵画の画面との中間にあって、現実の空間と絵画空間との関係を調整するために使用されてきたのである。建築様式も絵画作品の様式もすっかり変貌(へんぼう)してしまった現代では、額縁もきわめて単純化され、ときにはまったく使用されないこともある。また、現代建築の美術館内では、一つの展覧会に出品される全作品を、統一したデザインの額装とすることなども試みられている。[長谷川三郎]

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