日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオサガ」の意味・わかりやすい解説
オオサガ
おおさが / 大佐賀
大逆
angry rockfish
[学] Sebastes iracundus
硬骨魚綱カサゴ目フサカサゴ科に属する海水魚。相模湾(さがみわん)から千島列島沖にかけてと天皇海山列に分布する。標準和名はオオサガであるが、一般的にはコウジンメヌケ、サンコウメヌケとよぶこともある。体は深紅色で、体側に黒斑(こくはん)が1個あるものが多いこと、眼前の下方に棘(とげ)がないこと、頭部背面に暗色帯がないことなどの特徴で、ほかのメヌケ類と区別できる。水深200~1300メートルの深所にすみ、7月ごろ浅所に移動するが、10月ごろふたたび深所に入る。卵胎生(らんたいせい)魚で、5~6月ごろに仔魚(しぎょ)を産む。北日本産のメヌケ類中もっとも大きく、全長60センチメートルぐらいになる。
延縄(はえなわ)、底引網などで漁獲され、煮物、焼き物、刺身などにする。高級魚で、北海道では正月にマダイのかわりに用いる。近年、サンコウメヌケ(サンゴメヌケ、ヒカリサガ、キンサガともよばれる)が本種と同種であることが判明した。
[尼岡邦夫]