コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

延縄 はえなわ

4件 の用語解説(延縄の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

延縄
はえなわ

「のべなわ」または「ながなわ」ともいう。中心になる1本の幹縄に釣針をつけた枝縄を一定間隔に付し,ある時間水中に放置したのち引上げて,掛かった魚をとる漁法。定置延縄と流し延縄の2つがあり,また設置する水中の層によって浮き延縄,底延縄に分けられる。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

はえ‐なわ〔はへなは〕【延縄】

1本の幹縄(みきなわ)に、釣り針を先端に付けた枝縄、浮子(あば)を付けた浮け縄を間隔を置いて結び付けた漁具。走る船から繰り出し、一時に広範囲の魚を捕る。マグロ・タラなどの漁に用い、浮き延縄と底延縄がある。「延縄漁業」

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

大辞林 第三版の解説

はえなわ【延縄】

釣り漁具の一。一本の長い幹縄に適当な間隔で、浮きを結ぶ浮縄と釣り針のついた多数の枝縄をつけたもの。それぞれの釣り針に餌えさをつけ、海面下に浮かせあるいは海底に沈めて張る、浮き延縄と底延縄がある。のべなわ。ながなわ。 「 -漁業」

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

延縄
はえなわ
longline

釣り漁具の一種。日本古来の漁具で、その発祥は古い。『古事記』『日本書紀』にある千尋縄(ちひろなわ)とは、現在の延縄の原形であると考えられている。延縄とは、1本の縄に多数の枝(えだ)縄を結着させ、その先端に釣り針を取り付けて魚類を釣り上げる構造で、漁獲対象とする魚種の生息水深によって浮(うき)延縄と底(そこ)延縄に大別される。浮延縄が潮流に流されるままに漁具が移動するのに対して、底延縄は海底に錨(いかり)などで漁具を固定して底生魚類を漁獲対象としている。
 延縄一組の漁具は、1本の幹(みき)縄、釣り針を着装した数本から数十本の枝縄および浮子(あば)(浮子玉)を取り付ける浮縄(うけなわ)によって構成されており、この一組の漁具を鉢(はち)とよび、一般に浮子玉間の間隔を1鉢とよんで漁具の単位としている。これは従来、延縄を300メートルごとに籠(かご)に収納していたことから、延縄単位を1鉢、2鉢としたことに由来する。1回の操業に数鉢から数百鉢用いる。[嶋村哲哉・添田秀男・吉原喜好]

構造と漁法

漁具を設置するときは、船を一定針路に保ち全速で航走しながら船尾甲板から大ボンデン(大旗)、浮子玉、ボンデン竿(ざお)、浮縄、幹縄(みきなわ)、枝縄の順に投入する。漁具投入後3~4時間待機(縄待ち)してからの揚縄(あげなわ)作業を行う。従来は1鉢ごとに延縄を分離したが、昭和50年代(1975~1984)に入ると延縄を連続して巻き取るリール式、あるいは直接漁具庫にコイルして収納するワインダー方式が普及し、大幅な労働の省力化に成功した。
 延縄漁具のうち幹縄、枝縄、浮縄には、従来は藁(わら)、麻類、綿などの天然繊維が用いられたが、昭和30年代(1955~1964)ごろからポリビニル系のビニロン、ポリアミド系のナイロン、ポリエステル系のテトロンなど210デニールの55~60本合わせの合成繊維が使用され始めた。1990年(平成2)ごろからは、幹縄にナイロンテグスの約300号、枝縄に約100号の単糸が使用されるようになった。釣り針は、鋼鉄製の錫(すず)メッキした100~115ミリメートルのふところの狭いものが使用されている。漁獲水深の調節は浮縄の長さを調節して行う。一般に、キハダ、メバチなどを漁獲対象とする場合の釣り針の数は1鉢(300メートル)に5本付け(50メートル間隔)、ビンナガを対象とするときは、1鉢(200メートル)に12本付けが普通である。浮子玉は、漁具を水中で支えるために1鉢ごとに取り付けてあり、昔はガラス玉を使用していたが、現在ではハイゼックス製浮子玉(径30~33センチメートル)で、20~30気圧に耐えられるものが使用されている。そのほか揚縄作業が夜間になることを考慮して、浮標灯(ダルマ灯とも称する)を20鉢ごとに1個の割合で取り付ける。さらに同様の役割を果たす漁具として、ボンデン竿がある。これは長さ約4メートルの竹竿の先端にコーナーリフレクター(電光反射板)を取り付けたものである。また揚縄開始の最初の部分に大ボンデンを取り付ける。これらは縄待ちどきに延縄漁具を見失わないようにするための目標物である。延縄の揚げ終わり前の20鉢目ごとにはラジオブイ(5~7個)も取り付ける。これは操業中に縄切れで延縄を見失った際に方向探知機でラジオブイの方向を探知するための漁具探索用として使用される。マグロ延縄漁業の一操業時には、延縄は450~500鉢(全長135~150キロメートル)にも及ぶ。[嶋村哲哉・添田秀男・吉原喜好]

延縄漁業

延縄を使用する漁業を延縄漁業という。浮延縄漁業では主体となるマグロ延縄のほか、サケ・マス延縄、シイラ延縄、トビウオ延縄などがあり、底延縄漁業としてはタラ延縄、タイ延縄、カレイ延縄、タコ延縄、フグ延縄、アナゴ延縄などがある。
 遠洋マグロ延縄漁業を除いて、沿岸域で操業する延縄漁船は小規模なものが多く、使用する漁船も小型のものが多い。延縄漁業が日本の漁業・養殖業に占める割合は、およそ生産量3.5%である。また、延縄漁業の漁獲量の約80%強をマグロ延縄漁業が占めている(以上、2014年の統計による)。
 浮延縄漁法として代表的なものはマグロ延縄漁であるが、マグロ類は大回遊する魚種で、産卵期を除けばまばらな群で行動している。遊泳水深も種類によって異なり、日中はキハダで150~250メートル、メバチで200~500メートル(水温躍層の上部と下部にすみ分けている)、ビンナガは比較的表層を遊泳しているため、漁具構造は対象魚種、漁期、操業海域および漁船の規模によって千差万別である。
 遠洋マグロ延縄漁業は120トン以上の漁船によって操業される。太平洋、インド洋、大西洋の主として中・低緯度海域が漁場である。肉質がよいマグロ類の漁獲を目的として、海洋気象条件がきびしいインド洋・大西洋の高緯度海域やタスマン海に出漁する漁船もある。近海マグロ延縄漁業は20トン以上120トン未満の漁船によって日本近海を漁場として操業する。沿岸マグロ延縄漁業(小型マグロ延縄漁業)は20トン未満の漁船によって日本沿岸を漁場に操業する。漁業法上、遠洋・近海マグロ延縄漁業は農林水産大臣の指定漁業、沿岸マグロ延縄漁業は承認漁業である。
 多くのマグロ類の漁獲が減少しているため、地域あるいは魚種別にマグロ類の地域漁業管理機関(RFMO:Tunas regional fisheries management organization)が設立され、漁獲量制限などによって資源保護を進めている。これらの機関として大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT:The International Commission for the Conservation of Atlantic Tunas。条約適用水域は大西洋全域、条約対象魚種はクロマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガなど)、インド洋まぐろ類委員会(IOTC:Indian Ocean Tuna Commission。インド洋、メバチ、キハダ、ビンナガなど)、全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC:Inter-American Tropical Tuna Commission。東部太平洋、クロマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガなど)、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC:Western and Central Pacific Fisheries Commission。中西部太平洋、クロマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガなど)、みなみまぐろ保存委員会(CCSBT:Commission for the Conservation of Southern Bluefin Tuna。特定水域なし、ミナミマグロ)がある。日本はこれらすべての機関に参加している。[嶋村哲哉・添田秀男・吉原喜好]
『稲村桂吾他著『漁船論』(1973・恒星社厚生閣) ▽谷川英一他著『水産学通論』(1977・恒星社厚生閣) ▽能勢幸雄著『漁業学』(1980・東京大学出版会) ▽本多勝司著『漁具材料』(1981・恒星社厚生閣) ▽斎藤昭二著『マグロの遊泳層と延縄漁業』(1992・成山堂書店)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

延縄の関連キーワード浮き釣り沖釣関の鯛釣り唄県内のアサリ漁獲量遠征釣りカツオ一本釣り漁船小物釣り見釣りへちえさ釣り

今日のキーワード

パラチオン、パラチオンメチル

パラチオンは無色で油状の液体、パラチオンメチルはコハク色の液体。ともに毒性が強く、有機リン系殺虫剤として使用された。50年代以降、稲の害虫被害を防ぐことが確認され、広く導入された。しかし、農民の中毒死...

続きを読む

コトバンク for iPhone

延縄の関連情報