おしなる

精選版 日本国語大辞典 「おしなる」の意味・読み・例文・類語

お‐し‐な・る

〘他ラ四〙 「言う」の尊敬語。おおせられる。おっしゃる。
史記抄(1477)一七「此後邑中賢豪に今一度をしなれと云事を料簡して人に云わせて」
[語誌](1)一五世紀に生じたもので、抄物に見られる表現当初は「おせらる」と同等、あるいはそれ以上の敬意を表わしたものと考えられるが、時代とともに敬意度が下降し、一六世紀に至って「おせらる」以下のものとなった。「日葡辞書」(補遺)には「卑語」という注がついている。
(2)成立過程については、二説あり、一つは「仰せなる」の転であろうとする見方(辻村敏樹・高見三郎など)、他の一つは「お…なる」にサ変の動詞「し」をはさんだものという見方(湯沢幸吉郎)である。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android