オトメダカラガイ(読み)おとめだからがい(その他表記)Hirase's cowry

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オトメダカラガイ」の意味・わかりやすい解説

オトメダカラガイ
おとめだからがい / 乙女宝貝
Hirase's cowry
[学] Cypraea hirasei

軟体動物門腹足綱タカラガイ科の巻き貝。殻高48ミリメートル、殻径32ミリメートルの卵形で、前溝がわずかに細まる。背側は乳紫褐色で、中央付近に濃褐色のやや方形をした大きな斑紋(はんもん)がある。側面から腹面にかけてはいくぶん紅褐色がかっている。和歌山県から高知県にかけての水深200メートル前後の所からとれるが、きわめて珍しい貝の一つである。日本貝類学の鼻祖である平瀬与一郎功績に対し献名されている。オーストラリアには本種の亜種が分布する。

[奥谷喬司]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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