日本大百科全書(ニッポニカ) 「オブレノビチ家」の意味・わかりやすい解説
オブレノビチ家
おぶれのびちけ
Obrenovići
近代セルビアの王家。オスマン帝国に対する第二次セルビア蜂起(ほうき)の指導者ミロシュ・オブレノビチが1815~1817年に創設。1815~1842年および1858~1903年の両期間セルビアを統治した。この時代、近代セルビアは対外的に大きく進展するが、国内的には20世紀初めまで、2王家の抗争に終始した。他の王家とは、第一次セルビア蜂起(1804~1813)の指導者カラジョルジェによって創設されたカラジョルジェビチ王家である。ミロシュのセルビア公在位は1815~1839年および1858~1860年。ついでミロシュの2子、ミランMilan O.(Ⅱ)(在位1839)およびミハイロMihailo O.(Ⅲ)(在位1839~1842、1860~1868)、さらにミハイロの後を継いだ従兄弟(いとこ)のミランMilan O.(Ⅳ)(在位1868~1889。1882年より王号を称す)、ついでアレクサンダルAleksandar O.(Ⅴ)(在位1889~1903)とかわり、アレクサンダルの暗殺(1903)により同家は絶えた。
[柴 宜弘]