日本大百科全書(ニッポニカ) 「オヨギダニ」の意味・わかりやすい解説
オヨギダニ
およぎだに / 泳蜱
swimming water mite
[学] Hygrobates longipalpis
節足動物門クモ形綱ダニ目オヨギダニ科に属するダニ。日本全土の池沼や水たまりにすむ。シベリア、ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカに分布。体は短卵形で、胴長0.8ミリメートル内外。体色は黄褐色。皮膚は柔らかく滑らか。腹面の前半分に基節板群があり、その後方に性域がある。性域には左右1対の性板があり、その中央に性門が開いている。性板上には各3個の性感体がある。脚(あし)に泳毛はないが、長いとげがあってよく泳ぐ。幼虫はユスリカ類の成虫の腹部に寄生する。近縁種に流水にすむカワオヨギダニやナガレオヨギダニがある。人間生活との直接の関係はない。
[今村泰二]