オラン・ラウト(その他表記)Orang Laut

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オラン・ラウト」の意味・わかりやすい解説

オラン・ラウト
Orang Laut

オランは人,ラウトは海の意で,水上生活者,漂海民に対するマレー語の一般的呼称。ベイッ諸島のモーケン (またはセロン) ,ボルネオ北岸のバジャウ,スル諸島のサマールなどが知られる。漁労海産物資源の採集生業とし,水上移動による生活様式をとる。陸地に住む人々から海産物と交換に農作物漁具などを入手し,ときには海賊となって財を奪取した。近年は陸地近辺の海上に杭上家屋を建てて定住民化する傾向にある。

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世界大百科事典(旧版)内のオラン・ラウトの言及

【海人】より

…これらの類似は,中国内陸部の民族移動と関係があるかもしれない。マレーシアからインドネシア方面のオラン・ラウトOrang Laut(海の人)とよばれる水上生活者と,日本の家船の人々との相関関係の有無は,まだ残された課題である。
[済州島のあま]
 日本の海女のように,女性が潜水漁労に従事する例は,世界でも,隣接する韓国済州島の海女以外にはみられないといわれる。…

【漂海民】より

…船を住居とし,海上移動を続けながら漁業を行ってきた集団の総称。香港の蛋民(たんみん)やミャンマーの南部メルギー諸島からタイ南部のアンダマン海,さらにマラッカ海峡,インドネシア沿岸諸地域に分布し,一般にオラン・ラウトorang laut(水の民)と呼ばれる人々などが漂海民として知られている。後者のなかでは北ボルネオからフィリピンのスルー諸島,ミンダナオ島南部沿岸に分布するバジャウ族Bajauが著名である。…

※「オラン・ラウト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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