オルファンワークス(読み)おるふぁんわーくす(その他表記)orphan works

図書館情報学用語辞典 第5版 「オルファンワークス」の解説

オルファンワークス

著作権の保護が及ぶ著作物でありながら,著作権者の身元または所在の確認が困難もしくは不可能で,利用に法的障害がある著作物.「孤児著作物」という訳語を当てることが多い.各国での著作権保護期間の延長,インターネットの普及と著作物の利用増大,電子図書館への動きなどがこれらの著作物にかかわる国際的問題を顕在化させた.米国連邦法108条(h)項は,法的保護期間終期20年間は一定の条件の下に図書館などは許諾なくデジタル化し利用・提供が可能としている.2011年欧州委員会は構成国に多数の孤児著作物を所蔵する図書館などに権利処理を要せず電子化することを認める制度の実現を促す指令案を公表.日本法では,著作権法67条が権利者を探すための「相当な努力」を行った後に文化庁長官の裁定により補償金を供託すれば利用できると定める.2018年「著作権法」改正により,国や地方公共団体等(国立国会図書館や国立大学附属図書館を含む)には事前の供託を求めないものとされた.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

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