法令において裁定と呼ばれている行政庁の判断には,次のようなものがある。(1)行政上の法律関係について疑義または紛争がある場合に,一方の当事者が他方の当事者を相手方として,行政庁に,当事者の主張の当否を,審理・判断し,その解決を求める手続を,〈裁決の申請〉というが,この裁決の申請に対する行政庁の判断が,法令上,裁定と呼ばれていることがある。この裁定には,市町村の境界に関して争論がある場合において,都道府県知事がする裁定(地方自治法9条2,3項)のように,行政上の法律関係または法事実の存否を確認するものと,入漁権の設定・変更または消滅に関して海区漁業調整委員会のする裁定(漁業法45条)のように,行政上の法律関係を形成するものとがある。(2)国の行政機関相互の間で権限の存否について紛争がある場合に,内閣総理大臣が閣議にかけて行う決定も,裁定と呼ばれている(内閣法7条)。(3)紛争を前提とするものではないが,恩給権の存否を確定する総理府恩給局長の判断も,裁定と呼ばれている(恩給法12条)。
執筆者:岡村 周一
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…介入者としては,未開社会における神や超自然的権威あるいは首長・長老などの指導的人物などから,現代社会における組織・団体の管理責任者や上役,個人関係における上長・先輩・実力者・もの知りなどさまざまあるが,弁護士や裁判官に代表されるような専門家も発達した。介入の方式としては,話合いの契機を与える仲介(または斡旋),紛争処理案を示唆する調停,あらかじめ約束しておいて処理案を受諾させる仲裁,当事者の意思にかかわらず処理案を強制する裁定(法律上の審判や判決はその一例)がある。人は,これらさまざまの手段を適宜に選択し,順次に適用して紛争を処理している。…
※「裁定」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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